Bitcoin Core version 0.10.0がリリースされました。
日本時間2015年2月16日です。 主な変更点を簡単にまとめます。
主な変更点
1. ヘッダー・ファースト同期
- より早いブロックチェインの初期同期
- 今までは、22G近い、bootstrap.dat をダウンロードして、同期に数日かかっていましたが、2014年12月時点で、27Mのブロックヘッダーを同期するだけでよくなります。(数時間で終わるかと試してみましたが、最新block heightまで1日程かかりました。)
これに伴い以下のRPCが追加、更新
- getblockchaininfo
- getpeerinfo
- getchaintips
2. 動的トランザクション手数料計算
- 手数料(fee)が、もうハードコードされておらず、デマンドによりスケールする
- 新たな txconfirmtarget 設定
- 統計用にdataディレクトリ以下に、fee_estimates.dat ができる
新しいコマンドラインオプション
- -txconfirmtarget=n
- -sendfeetransactions
手数料見積もりのための新しいRPCコマンド
- estimatefee nblocks
- estimatepriority nblocks
3. RPC アクセスコントロールの変更
-rpcallowip の仕様が変わったので注意です!
0.9.x 以前
-rpcallowip=192.168.1.* というワイルドカード形式
0.10.0
-rpcallowip=192.168.1.0/24 というマスク形式
4. REST インターフェイス
HTTP APIができた。 -rest フラグを利用。 以下のような感じでアクセス
http://localhost:8332/rest/block/HASH.EXT
ドキュメントは、 doc/REST-interface.md を参照
5. RPCサーバ「ウォームアップ」モード
- RPCサーバが、早く開始される
- ブロック・インデックスの読み込みなどの初期化前に
6. 署名セキュリティの向上
- OpenSSLからlibsecp56k1に変更。
- DERでない署名は禁止
7. ウォッチオンリー・ウォレットのサポート
- ウォレットが、ウォレットから、ウォレットへのトランザクションを追跡できるように
8. コンセンサス・ライブラリ
- コンセンサス・ライブラリを同梱
- libbitcoinconsensus.so (Windowsの場合 .dll)
- インターフェイスは、bitcoinconsensus.h で定義
- bitcoinconsensus_verify_script: scriptのverify
- bitcoinconsensus_version: APIのバージョンを返す
9. P2SHアドレス用のスタンダードScriptルールが緩和
- isStandard()のルールが、P2SH redemption scriptのために削除
- n-fo-m OR y
10. bitcoin-tx
- bitcoin-txは、トランザクションをいじるための新しいコマンドライン・ユーティリティ
- 詳しくは bitcoin-tx -help
11. マイニングと中継ポリシーの向上
- アップデート時に、stratum mining プロトコルを利用している場合は問題ないが、プールにgetblocktemplate プロトコルを使っている場合は、注意
詳しくは、本家の説明を。
12. BIP 66: 署名用の厳格なDERエンコーディング
- DER署名でないものを禁止